学会|2024年10月16日掲載

「歯周基本治療からはじまるヘルスケア歯科診療」をメインテーマに

(一社)日本ヘルスケア歯科学会、ヘルスケアミーティング2024を開催

(一社)日本ヘルスケア歯科学会、ヘルスケアミーティング2024を開催

 さる10月13日(日)、14日(月)の両日、一般社団法人日本ヘルスケア歯科学会(高橋 啓代表)によるヘルスケアミーティング2024が、一橋大学一橋講堂(東京都)およびWeb配信のハイブリッド形式にて開催された。

 1日目は、メインテーマ「歯周基本治療からはじまるヘルスケア歯科診療」のもと、最初に高橋氏(愛媛県開業)による挨拶が述べられ、千草隆治氏(福岡県開業)により企画主旨が説明された。その後、以下の演題、演者より講演が行われた。

基調講演「歯周基本治療から始まるヘルスケア歯科診療」藤木省三氏(兵庫県開業)
「X線撮影について―歯周治療で必要な要件を考える―」滝沢江太郎氏(青森県開業)
「口腔内規格写真」大本幸加氏(歯科衛生士、丸山歯科医院)
「歯周組織検査―初期中等度の歯周病を治癒させて管理する―」志摩裕美氏(歯科衛生士、おおい歯科)
「院長先生の役割―ヘルスケア診療のためのチーム作り―」野村朱美氏(歯科衛生士、大西歯科)

 2日目は、サブテーマ「あっちもこっちもヘルスケア」のもと、メイン会場では下記の講演が行われた。

「ホームデンティスト・プロフェッショナル 番外編」藤木氏
「ヘルスケア歯科衛生士から 症例発表を中心に」増永初音氏(丸山歯科医院)、濵田佳穂氏(さくら歯科医院)、大塚杏菜氏(その歯科クリニック)、渡辺洋子氏(こんどう歯科医院)(すべて歯科衛生士)
「低侵襲で効果的なUP-SRPテクニックとは UltraSonic Precision SRP Technique」野村氏、藤木氏

 1日目の基調講演では、藤木氏がヘルスケア歯科診療の目的を「できる限り自分の歯で快適な人生を過ごしていただくこと」とし、なかでも歯周治療とメインテナンスは大きな役割を果たすと述べたうえで、歯周病の病因論や歯周治療とメインテナンスの考え方・注意点を症例も交えて解説。病因論の宿主免疫炎症反応については、「コントロールする魔法の薬はなく、自分たちにできることとしては、歯肉縁上・縁下のプラーク(バイオフィルム)、歯石および感染セメント質、慢性炎症性組織(不良肉芽)の3つをできる限りきれいにすることである」と強調し、ブラッシング指導や大西歯科で20年以上前から実施しているUP-SRPテクニック(UltraSonic Precision SRP Technique)について説明した。病因論から見えてくる歯周治療の考え方はとてもシンプルであり、感染源がどこにあるかを考え、その感染源をできるだけ除去することを心がけると良いとまとめた。また、歯周基本治療を成功させるためには、口腔内規格写真、デンタルX線写真、歯周組織検査が大事であるとした。

 そのほかにも、ディスカッションや展示、ポスター発表なども行われ、盛会となった。次回のヘルスケアミーティングは、きたる2025年11月に開催予定である。

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