社会|2024年10月16日掲載

外部講師に梅本丈二氏を招聘

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催

 さる10月15日(火)、S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会、中尾 祐会長)によるWebセミナーが開催され、歯科医療関係者を中心に40名以上が参加した。

 今回は外部講師として招聘された梅本丈二氏(歯科医師、福岡大病院摂食嚥下センター長)による講演「パーキンソン病患者への長期的な食支援と栄養管理」が行われた。

 冒頭、梅本氏は導入として講演タイトルにある「パーキンソン病」の現状や発症機序、それにともなう嚥下障害などについて概説しながら、パーキンソン病患者の嚥下障害や口腔内環境との関係など、自身が携わった研究についても紹介。パーキンソン病の摂食嚥下障害に関しては、患者によって関連因子が異なるため個別の予測や対応が必要であることを強調した。

 また、パーキンソン病患者の症例を供覧しながら患者の半数以上に体重低下、口腔衛生管理不良、運動機能低下などが見られることを指摘し、症状に応じた食形態の調整の必要性やエネルギー効率が高いMCT(中鎖脂肪酸)を併用した栄養療法についてもふれた。

 さらに、餅やパンに代表される食品の窒息事故についても言及し、予防するためには嚥下機能や認知機能だけでなく、食事中や食後の血圧低下によるリスクにも配慮する必要性を挙げるなど、長年にわたる臨床現場の視点や豊富な経験から示唆に富んだ内容を披露した。

 講演後の質疑応答では、実際の訪問診療で遭遇するケースやそれにともなう対応法など、参加者からの質問が寄せられ、歯科医療従事者が臨床現場で知っておくべき内容が共有された。

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