社会|2022年11月7日掲載
日本歯科医師会
堀会長、次期会長予備選挙には立候補しない意向

堀会長は、日本歯科医師連盟の不祥事によって揺らいだ歯科界の信頼の回復と結束が望まれるなか、2016年3月に日歯会長に就任。就任当初は歯科界に向けられる不信感を断ち切るべく、歯科界の活性化のため会務運営に邁進してきた。そして、内外の信頼を回復させ混乱を収拾させた後には、山積する歯科界の課題への対応や歯科医療の果たす役割の発信に努めた。
なかでも、近年の主たる活動には「新型コロナウイルス感染症のまん延における対応」、「2040年を見据えた歯科ビジョンの策定」の2つが挙げられる。前者において、マスクおよび消毒液の流通確保や日本歯科医師会休診補償制度の創設、歯科医師によるワクチン接種の実現など、医療人の一員としての決意を内外に示してきた。後者では、2020年10月に『2040年を見据えた歯科ビジョン―令和における歯科医療の姿―』を刊行するだけに留まらず、検討会やフォローアップ会議と準備を重ね、歯科界の総力を挙げて取り組むべき課題の解決と具体的な展開に向けて取り組んでいる。
堀会長は、2021年2月の会長予備選挙の当時の状況や心境を振り返り、「前回の会長予備選挙は立候補しないつもりでいた。しかし予想だにしなかった新型コロナウイルス感染症のまん延への対応や歯科ビジョンの方向性は緒についたばかり。引き継ぎには適正な時期ではなかった」と述べ、会長職に留まった経緯が語られた。
最後は、「コロナ対応について基本的な矜持・方向性は示すことができた。歯科ビジョンも具体的なアクションにふみ込む段階まで推進できている」とこれまでの取り組みを総括するとともに、「4期にわたり歯科界の方向性を顕示してきた。最後まで凛とした姿勢を示し、責任を果たしたい」と述べた。
次期会長予備選挙の動向に注目が集まる。