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2020年12月号掲載

次期参院選の歯科界 組織代表候補者

政治のプロとして歯科の諸問題を解決し、必ず結果を出したい

 日本歯科医師連盟(以下、日歯連盟)の臨時評議員会において、次期参議院議員比例代表選挙の組織代表候補者として山田 宏氏(参議院議員)が正式に決定した。歯科医療政策を具現化するために「歯科医師を国会議員に」を中心に掲げて政治活動を展開してきた日歯連盟だが、歯科医師以外の組織代表は今回初となる。本欄では、歯科医師ではない山田氏が歯科の重要性を発信し続ける、その想いをうかがった。

山田:私が歯科に関心をもつようになった大きな理由は、1999年から3期務めた杉並区長時代に取り組んだ財政再建で口腔の健康が全身の健康につながるという経験をしたからです。

 当時、杉並区歯科医師会長だった高橋英登先生(現日歯連盟会長)からいただいた資料の中に、香川県や特定の健康保険組合の調査データがあり、年1回歯科健診をしている高齢者とそうでない高齢者の医療費は10~15万円ほど差があるということが報告されていました。私は定期的な歯科健診が高齢者の疾病予防や介護予防など医療費削減に寄与するのではないかと思い、成人歯科健診事業に力を入れたのです。対策として歯のクリーニング券と歯科健診をセットにしたところ、当時6%だった受診率を15%まで上昇させることができました。また、区内の一部の小学校に歯磨き奨励用の洗面台を設置して、地域の学校歯科医と連携しながら歯磨き励行を行ったところ、インフルエンザの罹患率を大幅に減少させることができました。

 私は健康のまま天寿を全うするような国づくりを目指す目標のなかで、口の中から健康づくりを考え、健康政策の柱として歯科の重要性を発信していたところ、2016年の参議院選挙で日歯連盟に支援していただきました。27歳から政治の世界に入り、首長や国会議員を経験してきて政策実現のプロセスや方法は熟知しています。私は歯科医師ではありませんが、「政治のプロとして歯科界の諸問題の突破口を拓き、結果を出す」と主張し、自民党内に「歯科口腔医療勉強会」をつくり、歯科の重要性を理解していただける国会議員を増やす取り組みを続けてきました。その結果の1つとして、いわゆる「骨太の方針」に2017年から4年連続で歯科の項目が明記され、予算化にもつながっていることは周知のとおりです。

 予防医療の重要性が叫ばれて久しいなか、歯科は“疾病医”でなく“健康医”として日本の健康政策の中心でその役割を担うことができると確信しています。引き続き、骨太の方針にも記載されている「生涯を通じた歯科健診の充実」を推進するために「国民皆歯科健診」の法制化に取り組み、また診療報酬上の再評価や医科歯科連携を推進するためのシステム化など、歯科医療政策の実現のために日歯連盟としっかり連携しながら課題解決に取り組んでいきたいと思います。

 今回、私のこれまで取り組んできた経験と実績が評議員に評価されたと理解しています。政治のプロとして歯科の諸問題を解決し、必ず国政の場で結果を出したいと思います。