2022年10月号掲載
大東京歯科用品商協同組合の「顔」
幼少期より父に連れられてさまざまな歯科医院へ足を運び、歯科医院は身近な存在となった杉山勝人氏(株式会社杉山歯科機械代表取締役)。父の背中を見ながら若干32歳で歯科ディーラーの2代目として父よりバトンを受け取った氏は、関東圏の歯科ディーラー組合の第14代理事長として2021年よりその舵取りを任されているが、父から受け継いだ大事な教えは、時代は変われどもブレていないようだ。本欄では、杉山氏が考える歯科ディーラーのあるべき姿についてうかがった。
杉山:大東京歯科用品商協同組合(以下、当組合)は東京都、神奈川県、千葉県、長野県、山梨県の組合員約100社で構成されている全国最大規模の歯科用品商協同組合です。主に歯科医院や歯科技工所へ歯科器材・薬剤の供給、各種情報などをお届けし、先生方の診療などをとおして歯科医療の向上のお手伝いをさせていただいております。
私は2009年に当組合の理事に就任後、専務理事を経て2021年12月より理事長(14代)を拝命しております。井上恒雄氏をはじめ小越 敏氏といった歴代の理事長や、日本歯科用品商協同組合連合会会長の宮内啓友氏にもご指導いただきながら組合活動に取り組んでいます。当組合が主催する東京デンタルショーでは、2009年から会場の様子などをSNSでいち早く発信するなど、当時一介の理事であった私のような若い意見にも耳を傾けていただき、結果を出すことができました。おかげさまで東京デンタルショーは、日々の歯科診療に役立つ商品の展示と情報(セミナー)をコンセプトに、企画や新しい器材の発表の場にもなっており、多くの歯科関係者の皆様にご来場いただいています。
現在、歯科ディーラーを取り巻く状況は、大きく変化してきています。私は2005年より歯科ディーラーの家業を引き継いでいますが、組合員の高齢化による廃業によって、組合員数も減少傾向にあります。また、インターネットの普及にともなう通信販売を含めた価格競争など、歯科器材・薬剤の購入に関して人を介さない利便性や効率化を追求するだけでは、今後生き残っていくことは難しいでしょう。
私たち歯科ディーラーが先生方にとって身近な存在となるためには、先生方が生涯にわたって研鑽を積むことが求められているように、われわれも歯科医療に関する知識や情報のアップデートが不可欠です。企業やメーカーから日々リリースされる器材や材料、セミナーなどの最新情報をいち早くキャッチし、その中から先生方のニーズにあった最適なものを提供することで、歯科ディーラーとしての付加価値や存在意義をアピールできるのではないかと思っています。
私が考える歯科ディーラーのあるべき姿とは、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士の歯科医療従事者が臨床に専念できる環境づくりをサポートし、困ったときに頼られる存在でありたいと考えています。