社会|2024年12月2日掲載
「デジタルデンティストリーの応用」、「全顎重度歯周炎の治療計画」をテーマに
第31回JIADS総会・学術大会(佐々木 猛JIADS新理事長就任記念大会)が開催
さる11月30日(土)、12月1日(日)の両日、千里ライフサイエンスセンタービル(大阪府)において、第31回JIADS総会・学術大会(松井徳雄理事長)が開催された。
まず、松井氏が本年7月に逝去された中村公雄氏への哀悼の意を表し、参加者全員で黙とうを捧げたのち、開会の辞を述べた。その後、歯科医師、歯科衛生士ら8名による会員発表が行われ、初日午前のプログラムは終了となった。
午後の、「デジタルデンティストリーの応用」セッションでは、筒井純也氏(大阪府開業)、大川敏生氏(兵庫県開業)、岡田豊一氏(奈良県開業)、若井友喜氏(歯科技工士、カリス)、佐々木 猛氏(大阪府開業)、風井英毅氏(歯科技工士、貴和会銀座歯科診療所)が登壇した。また、別会場ではDHセッション「『歯周基本治療を見直そう』~基礎知識からの臨床でのエッセンスとコツ~」も同時に開催された。
2日目の午前は「治療オプションを拡げよう:考え方とテクニック」セッションにおいて、関根 聡氏(埼玉県開業)、平山富興氏(大阪府開業)の両氏が「歯周組織再生療法? 抜歯・インプラント? ―失われた形態と機能を回復するために組織再生をどう考えるか―」、渥美克幸氏(埼玉県開業)、福地康生氏(大阪府開業)の両氏が「歯内‐歯周病変のサイエンスとアート」、尾野 誠氏(京都府勤務)、髙野琢也氏(茨城県開業)の両氏が「TUN versus CAF in multiple recessions~歯間乳頭を切る? 切らない?~」と題して講演を行った。
さらに、午後には「全顎重度ペリオへの対応」セッションにて、浦野 智氏(大阪府開業)の座長のもと、岩田光弘氏(岡山県開業)が「EFP診療ガイドラインに基づいた歯周炎Stage Ⅳ患者に対する包括的歯科治療について」、佐分利清信氏(愛知県開業)が「デントフェイシャルの視点における包括的アプローチ」と題し講演した。
本大会の最後には、佐々木氏が新理事長就任記念講演として「Longevityに必要なClinical Points~30年のJIADS臨床から見えてきた真実~」の題で登壇した。佐々木氏は、歯科治療の目的には「病気の治療」と「個性の変更」の2種があると解説した。そのうえで、10年以上の予後をもつ症例を多数供覧し、治療結果の長期的安定には、その結果を左右する「変数」となるリスクファクターを減らすことが重要になるとした。
その後、瀧野裕行氏(京都府開業)による閉会の辞が述べられ、盛会裏に閉幕した。
なお、次回の第32回JIADS総会・学術大会は、きたる2025年12月6日(土)、7日(日)の両日に開催予定である。