社会|2024年12月3日掲載
「新時代のワークスタイルと歯科医療の融合」をテーマに
第11回JUC発表会が開催
さる12月1日(日)、電気ビル共創館みらいホール(福岡県)において、第11回JUC(Japan United Colleagues、馬場正英会長)発表会が「新時代のワークスタイルと歯科医療の融合」をテーマに開催された。
発表は森本昌孝氏(福岡県開業)を座長とした「up-and-comingセッション」から始まり、丸山俊正氏(福岡県開業)、甲斐大嘉氏(大分県開業)が登壇した。丸山氏は「Save Your Teeth~う蝕の管理と修復治療~」と題して、丸山氏が開院以来10年にわたり収集したデータを基にメインテナンスの効果を検証し、その有効性を供覧した。また、甲斐氏は「Dynamic 3D Navigationを使用したインプラント治療の臨床報告」と題して、インプラント埋入で使用する動的ナビゲーションの臨床応用について手術動画とともに供覧し、その有意性や静的ガイドとの比較について解説した。
続いて、平井友成氏(福岡県開業)を座長とした「How to ミニセミナー」では、小川直子氏(福岡県開業)による「知ってて良かった小児の診かた! ~健全な歯列と口腔機能育成のための早期治療介入~」、小関亮介氏(沖縄県開業)による「Bassi Logic™を活用した根管拡大形成のプロトコル」の講演が行われた。なかでも小川氏は、小児の口腔機能と歯列・咬合を含めた形態の診断や、適切な発育段階で早期に治療介入することの重要性を述べ、前歯部交換期における矯正的な被蓋改善の手技について症例を供覧しながら解説した。
メインであるシンポジウムが始まる前には、本会の実行委員長である村川達也氏(福岡県開業)により今回のシンポジウムの趣旨が説明され、労働時間の減少や価値観の多様性を認める新時代のワークスタイルと、労働力を必要とする歯科医療の課題について述べられた。
午前講演の最後は、神田 亨氏(長崎県開業)を座長としてシンポジウム Part1「エンド・ペリオ」が行われ、小林善郎氏(佐賀県開業)が「新時代のワークスタイル~歯内療法編~」、土肥博幸氏(長崎県開業)が「今求められる歯周治療を考える~絵空事にならないために~」と題して講演した。歯内療法と歯周治療のそれぞれにおける歯科医療の最適化のための取り組みを供覧し、今後の歯科医療のあり方を考察した。
また、ランチョンセミナーでは森川秀典氏(福岡県開業)による「日常臨床を変える! 歯科用初2波長搭載レーザーLight Walker® の可能性」(株式会社ジェイメック協賛)の講演が行われた。
午後は、水上哲也氏(福岡県開業)を座長としてシンポジウムPart2「修復・外科」およびPart3「インプラント」が行われ、久木田 大氏(熊本県開業)による「UPDATE:次の10年を見据えたデジタルワークフローの取り組み」、溝上宗久氏(福岡県開業)による「再生療法の効率化とその先を目指して」、金成雅彦氏(山口県開業)による「デジタル化されたインプラント補綴の可能性」の3講演が行われた。
なかでも金成氏は、インプラント補綴おいて治療をデジタル化した症例を供覧し、抜歯即時埋入におけるCTHC(custom temporary healing cap)の有効性やIOSによる全顎インプラントの利便性を解説。デジタル化によるチェアタイムや治療回数の減少といった恩恵はあるものの、治療に対するこだわりが医療の質であると述べ、術者と患者の双方が納得できる質を求め、それを維持・向上しながら時間を有効的に活用できる新しいスタイルを目指したいと締めくくった。
昨年には10周年記念講演会を開催して新しい10年の第一歩を踏み出した本会は、総勢412名が参加し、盛況のなか閉幕した。