学会|2025年3月4日掲載
「矯正ビッグバン!―これまでの20年~これからの20年―」をテーマに
九州矯正歯科学会学術大会第20回記念大会開催

さる3月1日(土)、2日(日)の両日、アクロス天神(福岡県)において、九州矯正歯科学会学術大会第20回記念大会(宮薗久信大会長、宮脇正一会長)が「矯正ビッグバン!―これまでの20年~これからの20年―」テーマに開催され、447名が参集した。
2002年から始まった本学術大会は今回20年の節目を迎えており、また新型コロナウイルス感染症の世界的流行、いわゆるコロナ禍以来初の対面での学術大会という記念すべき会となった。
本学術大会では、教育講演として認知症予防を専門とする脳科学者の瀧 靖之氏(東北大学)による「大規模脳画像データベースから見る脳の発達、加齢と認知症予防」、特別講演として本吉 満氏(日本大学)による「Wire-Bracket,Aligner,Orthodontic anchor screwによるCombination治療」、シンポジウム「矯正歯科におけるチーム医療 ―コデンタルスタッフの果たす役割―」として山内由宣氏(熊本県勤務)による「伊東歯科口腔病院における顎変形症治療に対するチームアプローチ」、酒井昭行氏(大分県開業)による「舌側矯正治療におけるラボとの共通認識」、平岡孝文氏(東京都開業)による「Additive Manufacturing in Orthodonticsにおける歯科技工士の役割」が行われた。
また海外との交流プログラムも用意され、日台ジョイントセミナーとして大賀泰彦氏(鹿児島大学)による「歯科矯正用アンカースクリューの脱落因子とそれに対する新たな試み」、石井太郎氏(福岡歯科大学)による「3D技術で進化する矯正歯科:診断から治療計画まで」、Huang, Yu-Chun氏(台湾矯正歯科学会学術委員長)による「Interdisciplinary approach in a OSA, TMJ and neck pain young female with OGS and physical therapy(閉塞性睡眠時無呼吸症候群、顎関節機能障害、頚部の疼痛を有する若年女性の外科的矯正治療および理学療法によるインターディシプリナリーアプローチ)」、招待講演としてJenny Chen Chun氏(米国矯正歯科学会認定医)による「New Concept for Class III Treatment in 21 days(Ⅲ級不正咬合を21日で改善する新しい治療コンセプト)」が行われた。
装置および治療選択肢の決定といった矯正歯科治療の根本をなすものから、外科的処置を必要とする重篤な不正咬合、さまざまな機能的障害の改善を考慮した治療、デジタルデンティストリー、チームワークと毎日の矯正歯科臨床に直結・隣接するトピックに、聴衆は耳を傾けていた。
その他に口演発表が9題、学術展示が21題、症例呈示が1題、症例報告が5題行われ、初の試みとしてこれらの中から優秀な発表について表彰が行われた。
次回はきたる2026年3月7日(土)、8日(日)の両日、大分県において開催予定。