社会|2025年2月28日掲載

倉富 覚、氏が「悩めるエンド難症例 診断のポイントとその対応」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第67回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第67回WEBINARを開催

 さる2月27日(木)、倉富 覚、氏(福岡県開業)によるWEBINAR #67「悩めるエンド難症例 診断のポイントとその対応」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、倉富氏の著書『悩めるエンド難症例 診断のポイントとその対応』の内容をベースに行われた。

 倉富氏はエンド難症例の原因を「診断の誤りに起因するもの」「根管形態に起因するもの」「人為的な要因に起因するもの」「病態に起因するもの」の4つに分類し、その中には“だれがやっても難しいもの”と“治療介入してみないとわからないもの”が混在しているとした。それから、4つの分類に関する症例を提示しながら、診断法や対処法をていねいに解説した。

 まず、恩師である下川公一氏の「診断なくして治療なし」という言葉を引用しつつ、「すべての医療行為の背景には理由が必要であり、それが“診断”である」と述べ、正確な診断の重要性を語った。また、数多くある検査のなかでも多くの情報を与えてくれるものが画像診断であるとし、規格性のあるデンタルX線写真の撮影と定点観察が大切だと強調した。

 さらに、難症例にあたった際には一度診断をリセットし、検査項目を洗い直し、手技に問題はないか、歯内治療だけで治る見込みのない病態である可能性はないかなど、診断の見直しを図る必要性も説明した。

 倉富氏は講演のなかで、「自分が行った治療の長期経過観察をし、自身の診断や手技が正しかったかの考察をしなければ臨床家としては成長できない」と述べ、論文的なエビデンスの重要性に理解を示しながらも、臨床家にとっては自身の長期経過症例こそが揺るぎないエビデンスであると語った。

 最後に、倉富氏が歯内療法でとくに心掛けてきたことに、“正確な診断”、“自身の治療コンセプトの確立”、“精度の高い手技”、“自分が行った症例の長期経過観察”を挙げ、これらは時代の変化や発展においても変わらない重要なことだと講演をまとめた。

 なお、本Webセミナーの振り返り配信は、2025年5月27日まで購入が可能である。次回のWEBINAR#68は、きたる3月6日(木)、安斉昌照氏(神奈川県開業)を招聘し、「迷わないGBRの材料とそのレシピ」が開催予定である。両セミナーの申込みはこちらから。

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