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政治|2024年3月7日掲載

日本歯科医師会

令和6年能登半島地震の被害状況や対応が報告される

現地を視察した高橋英登氏、蓮池芳浩氏より被災地区の厳しい状況が説明された。
現地を視察した高橋英登氏、蓮池芳浩氏より被災地区の厳しい状況が説明された。
 1月25日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、高橋英登会長)による2024年最初の定例記者会見が開催された。

 高橋会長は新年の挨拶の中で、年始に発生した令和6年能登半島地震における被害や復旧状況について言及。1月25日時点において、電気は復旧しつつあるが断水が続いている地域が多く、満足な歯科診療を行える状況ではないことを説明した。そして、「歯科と災害関連死は密接な関連にあり、私たち歯科は国民の命と健康を守る活動をしていることに誇りをもってほしい」と現地で診療を続けている会員やJDAT(日本災害歯科支援チーム)をはじめとする災害支援チームに対し、激励の言葉を寄せた。

 続いて、瀬古口精良専務理事より能登半島地震におけるこれまでの災害対応について、石川県歯科医師会と連携を図りながら行ってきた経緯が報告された。また、1月24日時点でのJDAT登録状況では、34の都道府県から計108の登録チームが結成され、その他の都道府県からも協力申請が届いていることが説明された。

 その後は、石川県が地元である蓮池芳浩副会長より、被災地区にサポートに入った際に撮影した写真をモニターに映しながら、現地の厳しい状況が説明された。被災地区では水不足の状況から少量の水で口腔ケアが行える製品および義歯洗浄剤が好まれたことや、避難生活者の疲労や不安などのストレスから心のケアにも配慮する必要性に言及した。その後も水をほとんど使用できない環境下での歯科診療に難航していることや、特に基礎疾患を有する被災者に対する災害関連死への対策の重要性などを強調した。

 そして、受け入れ対応や現地の交通網の寸断などの理由から「現地に支援に行く際には、行政と連携を図ったうえで支援活動を行っていただきたい」と注意喚起を促した。

 なお、日歯は能登半島地震災害の義援金口座を開設しており、第1次受付期間は石川県、第2次以降では他の被災県に対しても被災状況に応じて義援金が配分されることが報告された。