社会|2022年10月4日掲載
クインテッセンス出版(株)
宮地 舞氏による第28回Webセミナーが開催
冒頭、宮地氏は、「なぜ歯科医師が睡眠治療にかかわる必要があるのか」を問題提起。睡眠時無呼吸が社会に与える影響とともに、日本でも潜在的な睡眠時無呼吸患者が約3,000万人と非常に多い現状から睡眠時無呼吸治療に取り組む意義の大きさを強調した。
次に、睡眠における研究の歴史やレム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い眠り)を繰り返す睡眠メカニズムについて、最初のサイクル(90~120分の1サイクル)が睡眠の質を保つうえで重要であることを説明。続いて、睡眠関連呼吸障害(SRBD)のなかでも閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を詳説。①舌根や扁桃の肥大などを理由に上気道が閉塞し無呼吸状態になる、②窒息状態から覚醒し気道が広がり呼吸が再開する、③睡眠に入ると再び上気道が閉塞する、という睡眠時無呼吸に陥る負のスパイラルを示した。その後は、一般歯科における睡眠歯科治療の要点や円滑な医科歯科連携を行うためのポイントについてもふれた。
講演後の質疑応答では、具体的な状況を想定した質問が多数寄せられるなど、睡眠時無呼吸治療に対する関心の高さがうかがえ、歯科における睡眠時無呼吸治療の普及に向けて期待の高まる講演となった。