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2021年1月号掲載

次期参院選で問われる日歯連盟の判断

 日本歯科医師連盟(以下、日歯連盟)のかつての主たる活動は、診療報酬改定への折衝や参議院比例区に歯科医師の国会議員を輩出することにあった。

 診療報酬改定は限りある財源の中でつねに社会保障に対して抑制圧力がかけられ、従来に増して多くの政策ハードルを越えなければならず複雑化している。そして今回、次期参議院比例区選挙の職域推薦候補者として歯科医師ではない山田 宏氏に決定した。

 参議院比例区に歯科医師の候補者を擁立した理由は、組織力を示すには非常に有用な制度であり、また、歯科医療という特殊な分野を政治の世界で理解を得るには歯科医師の国会議員が必要との考えからだ。今回の選考では山田氏の政治家としての資質の高さや、骨太方針に歯科項目を盛り込んだ実績などの評価はあったものの、歯科医師の国会議員の必要性も唱えられた議論があったと聞く。

 現在、歯科医師の国会議員は複数存在するが、主な活動は選挙区内の案件であっても歯科政策にまったく関与できないことはない。逆に日歯連盟が軸となり、歯科に関与する議員らの総合的な政治活動を束ねることによって、連盟活動に厚みを増すことも可能である。

 今回の決定は単に職域代表候補者を決めただけでなく、日歯連盟の根本的な活動を今一度見直す契機であり、今後の組織としての大きな課題を背負うことになった。そしてその議論を円滑に進めるためには、職域代表に得票数という大きな力を与えなければならない。政治の世界は先ず勝つことが求められる。