マイナス1歳から始める母子保健のすすめ! 2024年3月号掲載 Vol. 2 小児のう蝕と母子保健 後で読む う蝕は非感染性疾患?! 実践可能なう蝕予防を提案! 新しいカリオロジーとして生態学的プラーク仮説1が取り上げられているのを目にしたことがある方もいるでしょう。う蝕はミュータンスレンサ球菌(MS菌)など特定の口腔細菌ではなく、プラークを構成する細菌叢の不均衡がもたらすものだという仮説です。ショ糖の頻回摂取によってプラーク内が酸性に傾き、MS菌や乳酸桿菌などの耐酸性能と酸産生能をもつ細菌種が生存・増殖するのに有利となります。そして、う蝕原性の高い細菌叢にシフトし、生態系の均衡が崩れ、やがて... 仲井雪絵 なかい・ゆきえ 静岡県立大学短期大学部歯科衛生学科教授 1992年、岡山大学歯学部卒業。1996年、同大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)。1997年から3年間、ワシントン大学歯学部(米国)へ留学。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科助教を経て、2016年、静岡県立大学短期大学部教授。同短期大学部学生部長、同短期大学部附属図書館長を経て、2024年4月、同短期大学部学生部長に再任。 ※掲載中の情報は紙・誌面掲載時のものです。