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2024年6月号掲載

RAY社の日本法人の 「顔」

患者さんの笑顔をサポートする企業でありたい

韓国は「美容大国」として知られているが、実は国を挙げてIT化に取り組んでいる。その取り組みは歯科分野でも注目を集め、韓国だけでなくグローバルにおいて近年著しい成長を遂げているRAY社。本欄では、同社日本法人の川松上総氏(同社代表取締役社長)が考える企業戦略と日本市場への可能性についてうかがった。

川松:グローバル本社は韓国において2007年、日本(以下、当社)では2016 年に設立されました。現在、12か国で展開するグローバル企業として、フェイススキャン「RAYFace (レイフェイス)」を中心にCTスキャン、IOSスキャンなどの当社製品を歯科医師の先生方に臨床現場でご活用いただいております。

 RAY社の企業コンセプトとして「Face-Driven Dentistry」を掲げています。顔貌を入口とする治療計画を立案し、「スキャン・デザイン・メイク」というワークフローで口腔内のみならず顔貌を単位とする個々のシミュレーションを展開する、という点がこれまでのアプローチとまったく異なります。また機器単体の技術向上と同時にアプリケーション開発(機器連携、アップデート、ワークフロー)、その礎となるビッグデータとAI 技術を融合したテクノロジー開発に注力しています。

 これまで歯や骨のデータをとることは当たり前でしたが、当社製品は顔貌を撮影しAI 技術を活用してマッチングさせることで、ストレスなく臨床現場で使用していただいています。

 従来から、ハードウェア開発は欧州中心のイメージがありますが、当社はハードウェアはもちろんソフトウェア開発にも注力しています。製品とソフトウェアの開発において、今までになかったものをスピード感もってお客様へお届けする、そしてお客様と一緒に歯科医療の新しい分野を切り拓いていくのが当社の使命と考えています。

 当社の製品はすべて、既存の設備を活用できるオープンシステムです。また各々の製品は、連結性・汎用性・拡張性を備えているので最小限の投資で最大限の効果が期待でき、コストパフォーマンスに関してもご納得いただけると自負しています。日本法人が設立されて9年目を迎えますが、スタッフも若く柔軟性をもった発想とエネルギッシュさが特長の1 つといえます。当社の成長に関しては手ごたえを感じていますし、市場規模を拡大できる可能性は十分にあると思っています。

 長く歯科医療分野に携わってきた身として、メーカーにとって製品を「売る」だけではなくサポート体制の充実が不可欠であることは十分理解していますので、さらなる充実と強化を図りたいと考えています。

 これまで歯科にはさまざまなトレンドがありましたが、すべてに共通するのは治療結果を左右する患者さんの笑顔です。当社はこれからも個々の患者さんの笑顔をつくる歯科医療従事者をハードとソフトの両面からサポートできる企業でありたいと思います。