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2022年10月号掲載

リモートワークで変わる歯科技工

 「歯科技工士法施行規則の一部を改正する省令」が令和4年3月31日、厚生労働省医政局より公布された。その中でデジタル技術を活用した歯科技工業務(コンピュータを用いた歯科補綴物などの設計)が自宅などで行えるリモートワークとして歯科技工士に認められたことにより、歯科技工士の働き方が今後大きく変化すると予想される。特に年々増加している女性歯科技工士にとって、働き方の選択肢が増え、離職率の低下につながることが期待される。

 リモートワークを行うためには、厚労省の「歯科技工におけるリモートワークの基本的な考え方」に記載されているセキュリティー対策や歯科技工録義務化などに関する研修を受講し、構造設備基準を満たした歯科技工所として所管の保健所に届けなければならない。

 特に、デジタル医療データ(以下、データ)の管理上、非常に機密性の高い情報が含まれているため、情報漏洩に対する充分な防止対策を講じる必要がある。万が一データの情報漏洩が生じた場合、国民から歯科技工士に対する信頼を著しく損なうことにもなりかねない。そのため、デジタルツールの利便性だけを求めるのではなくデータの管理、つまりデータマネジメントの徹底が不可欠だ。その辺りをふまえれば、リモートワークは、今後歯科技工士の働き方改革を加速させるに違いない。  世界に誇る日本の歯科技工技術のアナログとデジタルの融合。若い歯科技工士にとってはビッグチャンスといえるのではないだろうか。