Dr. 上野の奮闘記 2023年10月号掲載 Vol.9 歯科心身症? 対応が難しい場合のアプローチのポイント 後で読む 「歯科心身症」とは? 「歯科心身症」は、医学的には説明のつかない器質的な所見を欠くさまざまな口腔周辺の症状を意味します。このような歯科心身症の患者さんには、過剰で不適切な治療が行われやすいといわれています1。 器質的異常がないにもかかわらず「歯が痛い」「顎が痛い」などの疼痛を訴える患者さんの多くは、うつ病や不安障害などの精神疾患の身体化症状と深く関連していることがあります2。歯科心身症の代表的疾患として、舌痛症、非定形歯痛、口腔異常感症、口臭恐怖症、咬合異常感症、歯科治療恐怖症... 上野繭美 うえの・まゆみ 2006年、福岡歯科大学歯学部卒業。2016年、鶴見大学歯学部口腔内科学講座。2019年、医療法人財団青山会福井記念病院へ出向、同病院の食の安全推進委員会委員長、感染対策委員会委員長。2024年、鶴見大学歯学部口腔内科学講座、医療法人誠心会神奈川病院・あさひの丘病院勤務。日本歯科心身医学会認定医。日本口腔内科学会認定医。労働衛生コンサルタント(保健衛生)。ICD 協議会認定インフェクションコントロールドクター。 ※掲載中の情報は紙・誌面掲載時のものです。