健康を支える病院歯科 2022年6月号掲載 第5回:命の現場で心を支える義歯の存在 後で読む 患者さんの想いにどこまで応えられるか 義歯は口腔機能を回復させる補綴装置の1つです。今回は、急性期病院である当院の救命病棟で、義歯の存在が患者さんの心の支えとなっていた症例について、その機能という次元をはるかに凌駕するエピソードを体験しましたので、ご紹介したいと思います。 急性期は疾患が発症してすぐに治療が必要となる重要な期間です。患者さんは70代男性、肺がんのステージⅣの方で化学療法にて治療中でしたが、慢性呼吸不全急性増悪のため緊急搬送されてきました。入院前は在宅酸素療法(... 寺中 智 てらなか・さとし 足利赤十字病院リハビリテーション科口腔治療室長 2003年、神奈川歯科大学卒業。2007年、東京医科歯科大学大学院修了(歯学博士)。2009年、同大学高齢者歯科学分野特任助教。2010年、同大学歯学部附属病院スペシャルケア外来・摂食リハビリテーション外来医員。2013年、足利赤十字病院リハビリテーション科。現在に至る。 ※掲載中の情報は紙・誌面掲載時のものです。